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イスマイリア便り

2015.2.9

黒田秀彦

スエズ運河庁への技術協力プロジェクト(スエズ運河戦略強化プロジェクト)はいよいよ最終段階に入り、纏めの段階です。当社はこの中で運河料金設定政策と戦略を担当しています。パナマ運河が第二パナマ運河を建設中ですが、スエズ運河もこれまでの我が国の技術協力成果を受け、ダブルレーン部分を50%増加するための拡張工事に着手しました。これにより、通航容量は現在の49隻/日が2023年には97隻/日になるとしています。

我々も昨年、陸上部掘削現場を、今回は浚渫現場を視察することができました。浚渫土量は2.5億m3で、これを一年間で完了という計画。このため、われわれが滞在しているホテルもオランダ・ベルギー・スペイン・イタリア・UAEの浚渫会社のコンソーシアムメンバーで満杯、朝食をとるのも混雑状態の中、苦労しています。

このたび2月4日には、2016年度の運河通行料金の発表がプレスになされ、結果的には料金は据え置き、LNG船に対する割引率のみ現行の35%から25%に引き下げるという形になりました。

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 陸上部掘削状況

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浚渫作業員が宿泊するためのフローティングホテル

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運河浚渫状況

エジプトでは、今もカイロ周辺やシナイ半島では爆弾テロ騒ぎがあり、物騒な状況ですが、我々のいるここイスマイリアは、浚渫工事の安全監視もあり、毎日軍のヘリが空から監視していますし、市内では軍と警察が機関銃装備の車で巡回、運河庁の入り口もバリケードと装甲車でセキュリティー管理が厳しいためか我々の滞在中は特に何も騒動が起こっていません。国民の大半は、安定・安全な日々が過ごせることを第一に願っているようです。

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