2013.6.3
ケニアというと、まずサファリが有名であるが、もう一つに、コーヒーのキリマンジャロという銘柄も思い浮かぶ。タンザニアに位置し、ケニアとの国境近くにそびえるキリマンジャロ山はアフリカ大陸の最高峰5,895mで、赤道付近にありながら氷雪の見られる世界でも数少ない地点の一つとなっている。
子供の頃に見た映画に「キリマンジャロの雪」(The Snow of Kilimanjaro)を思い出すが、これは1936年にアーネスト・ヘミングウェイが発表した短編小説を1952年に映画化されたもので、映画の好きな方ならご存知のグレゴリー・ペックやエヴァ・ガードナー、スーザン・ヘイワードなどの往年の名優が登場する名作である。
2009年2月にモンバサ港に出張した時、ナイロビからモンバサへの飛行機の中からキリマンジャロ山がくっきりと見えて感動したのだが、何かイメージが違うので調べてみた。その時撮った写真と映画のシーンの写真を見比べていただくと明白だが、雪の量が極端に減っている。
2001年2月、オハイオ州立大学の地質学者ロニー・トンプソン教授は、キリマンジャロ山頂にある氷原は、1912年からみるとその80%がすでに失われたと報告。その少なくとも三分の一が、この10年余りの間に消失あるいは溶解してしまったと発表した。気候変動により2015年までにこの山にある氷がすべて消失してしまうおそれがあるとの説もあった。
今年は2013年、当社のスタッフが先月5月末に3年間のプロジェクトのためモンバサ港に出かけたが、その間に、キリマンジャロの雪は消滅するのだろうか。
(江口 肇)